間違いは許されない?注文住宅で家を建てるための予算の決め方とは

予算の決め方
目次

失敗しないために知っておきたい!家づくりの予算決めの基本

家を建てると決めたら、まず考えるのが「予算」です。しかし、「どのくらいの金額を設定すればいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。住宅は一生に一度の大きな買い物だからこそ、無理のない資金計画を立てることが重要です。

この記事では、家づくりの予算を決めるための基本的な考え方をわかりやすく解説します。特に、はじめての家づくりで「予算の決め方」に悩んでいる人に向けて、次のようなポイントを詳しく紹介します。

  • 家を建てるために必要な費用の全体像
  • 自分に合った適正な予算の決め方
  • 住宅ローンを考慮した無理のない資金計画
  • 予算オーバーしないためのコツ

この記事を読めば、家づくりの予算を決める際に必要な知識が身につき、スムーズに計画を進められるようになります。後悔しない家づくりのために、しっかりと準備を進めていきましょう。

家づくりの予算を決める前に知っておくべき基礎知識

家を建てる際、多くの人が「建物の価格」だけに意識を向けがちですが、実際にはそれ以外にもさまざまな費用が発生します。予算オーバーを防ぐためには、家づくりにかかる総費用の内訳を正しく理解し、見落としがちなコストにも目を向けることが大切です。

家の購入費用は「本体価格」だけではない

注文住宅の価格を見るとき、多くの人が「建物本体価格」だけをチェックしがちです。しかし、家を建てるためにはそれ以外にも多くの費用がかかります。例えば、次のような費用が必要になります。

  • 建築本体工事費:住宅本体の建築費用
  • 付帯工事費:外構(フェンス・駐車場など)、地盤改良工事、解体工事(建て替えの場合)など
  • 諸費用:登記費用、ローン手数料、火災保険料など
  • 土地購入費(必要な場合)

特に、付帯工事費や諸費用は見落とされやすく、後から「思ったよりも費用がかかる」と驚くケースも少なくありません。総予算を考える際には、住宅本体以外の費用も含めて試算することが重要です。

土地代・諸費用・税金など、見落としがちなコスト

注文住宅を建てる場合、土地を購入する必要があるケースも多いです。その場合、土地代のほかに、以下のような費用もかかります。

  • 土地の仲介手数料(不動産会社を通して購入する場合)
  • 地盤調査費・改良費(地盤の状態によっては追加工事が必要)
  • 上下水道の引き込み費用(土地によっては水道や下水道の整備が必要)
  • 固定資産税・都市計画税(購入後に毎年かかる税金)

また、住宅購入時には税金も発生します。主なものには以下があります。

  • 不動産取得税:土地・建物の購入時にかかる税金(軽減措置あり)
  • 登録免許税:住宅ローンの設定や所有権の登記時に必要
  • 住宅ローンの保証料:金融機関によって異なるが、借入額に応じた保証料が必要

こうした費用を見落として予算を組んでしまうと、想定外の出費に対応できず、資金計画が狂ってしまう可能性があります。最初にしっかりと総額を把握し、無理のない予算計画を立てることが大切です。

家づくりの適正予算の考え方

家づくりの予算を決める際、「自分たちはいくらまでの家を建てられるのか?」という疑問を持つ人は多いでしょう。無理のない予算を設定するには、自己資金と住宅ローンのバランスを考え、収入に見合った計画を立てることが重要です。ここでは、適正予算の考え方について詳しく解説します。

自己資金と借入可能額のバランス

住宅を購入する際、多くの人は自己資金だけでは足りないため、住宅ローンを活用します。しかし、ローンの借入額を増やしすぎると、毎月の返済負担が重くなり、生活費や貯蓄に影響を及ぼす可能性があります。

適正な予算を決めるためには、まず 「自己資金」と「住宅ローンの借入可能額」のバランス を考えることが大切です。

  • 自己資金:頭金や諸費用として用意できる現金
  • 住宅ローンの借入可能額:金融機関が貸してくれる金額(ただし、借りられる金額と返せる金額は異なる)

自己資金が多いほど、借入額を抑えられ、毎月の返済負担を軽減できます。ただし、自己資金をすべて使い切るのではなく、予備費としてある程度の現金を残しておくことも重要です。

「年収の何倍」が適正か?実例を交えた計算方法

住宅ローンを組む際、「年収の何倍までなら安全か?」という目安があります。一般的に、住宅購入の適正予算は 「年収の5〜7倍程度」 が目安とされています。

【試算例】年収500万円の場合

  • 年収5倍(2,500万円) → 返済負担が少なく、安全な範囲
  • 年収6倍(3,000万円) → 一般的な借入額
  • 年収7倍(3,500万円) → 生活費とのバランスに注意が必要

ただし、これらはあくまで目安であり、個々のライフスタイルや将来の支出を考慮して判断することが大切です。

頭金はどのくらい必要?

住宅ローンを利用する際、多くの金融機関では 「頭金(自己資金)」を10〜20%程度用意すること を推奨しています。例えば、3,000万円の住宅を購入する場合、次のような資金計画が考えられます。

  • 頭金10%(300万円) → 2,700万円をローンで借入
  • 頭金20%(600万円) → 2,400万円をローンで借入

最近では「頭金ゼロ」の住宅ローンもありますが、借入額が増えるため、総返済額が大きくなり、金利負担も増します。無理のない範囲で頭金を準備し、将来のリスクを軽減することが重要です。

住宅ローンを考慮した予算の立て方

家づくりの予算を決める上で、住宅ローンの返済計画をしっかり考えることが欠かせません。無理な借入をすると、家計の負担が大きくなり、生活の質が下がる可能性があります。ここでは、住宅ローンの適正な組み方や返済計画の考え方について解説します。

無理のないローンの組み方

住宅ローンを組む際は、「借りられる金額」ではなく、「無理なく返済できる金額」を基準にすることが大切です。一般的には、住宅ローンの年間返済額が年収の25%以内 に収まるのが理想的とされています。

【試算例】年収500万円の場合

  • 年間返済額125万円以内(年収の25%)
  • 月々の返済額 約10.4万円(125万円 ÷ 12カ月)

これを基に、借入可能額を計算すると、例えば金利1.5%・返済期間35年の場合、借入可能額は 約3,500万円 となります。

しかし、この金額いっぱいまで借りるのではなく、生活費や将来の支出(教育費・老後資金など)を考慮し、余裕を持ったローン設定をすることが重要 です。

「毎月の返済額」から逆算する方法

住宅ローンの借入額を決める際、「総額」で考えるよりも、「毎月の返済額」から逆算すると現実的な計画が立てやすくなります。

例えば、毎月の返済額を 8万円以内 に抑えたい場合、以下のように借入額を計算できます(借入期間35年、金利1.5%の場合)。

  • 借入額 2,500万円 → 月々 約7.5万円
  • 借入額 3,000万円 → 月々 約9万円

このように、最初に「無理なく支払える金額」を決めてから、それに見合った借入額を設定することで、家計への負担を最小限に抑えることができます。

金利や返済期間が予算に与える影響

住宅ローンの負担は、「借入額」だけでなく、「金利」と「返済期間」によっても大きく変わります。

1. 金利の違いによる影響

金利が1%変わるだけで、総支払額には数百万円の差が出ることもあります。例えば、3,000万円を借入した場合の総返済額は以下のようになります(35年ローンの場合)。

  • 金利1.0%総返済額 約3,550万円(月々 約8.5万円)
  • 金利2.0%総返済額 約4,200万円(月々 約10万円)

固定金利・変動金利の違いなども考慮しながら、自分に合ったローンの選択が重要です。

2. 返済期間の違いによる影響

返済期間が長くなるほど、月々の負担は軽くなりますが、総返済額は増えます。

  • 3,000万円の借入(金利1.5%)
    • 30年ローン → 月々約10.3万円(総返済額 約3,700万円)
    • 35年ローン → 月々約9.3万円(総返済額 約3,900万円)

無理なく支払える範囲で、できるだけ短い返済期間を設定すると、総返済額を抑えられます。

予算オーバーを防ぐためのチェックリスト

家づくりでは、当初の予算よりも支出が膨らんでしまうケースがよくあります。追加工事や設備のグレードアップなど、計画段階では想定していなかった費用が発生しやすいためです。ここでは、予算オーバーを防ぐためにチェックすべきポイントを解説します。

予算を守るために押さえておくべきポイント

家づくりの計画を進める際は、次のポイントを意識すると予算内での建築がしやすくなります。

  • 総予算を最初に明確に決める
    • 住宅本体の価格だけでなく、土地代や諸費用を含めた総額を把握する
    • 頭金やローンの返済計画とバランスを取る
  • 優先順位を決める
    • こだわる部分(キッチン、断熱性能、間取りなど)とコストを抑える部分を明確にする
    • 追加費用がかかりやすいオプションをリストアップし、必要なものを選別する
  • 工事費以外の費用も考慮する
    • 外構工事費、引っ越し費用、家具・家電の購入費を事前に試算する
    • 入居後の維持費(固定資産税、修繕費など)も見越しておく
  • 契約前に見積もりを細かく確認する
    • 住宅会社の提示する見積もりに「別途工事」が多く含まれていないかチェック
    • 工事範囲や仕様を明確にし、後からの追加費用を防ぐ

追加費用・オプション費用に注意

家づくりでは、最初の見積もりに含まれていない「追加費用」が発生しやすいです。以下のような費用がかかる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

  • 地盤改良費:土地の状態によっては100万円以上の追加費用が発生することもある
  • 電気・ガス・水道の引き込み費用:新しく整備が必要な場合、数十万円のコストがかかることがある
  • カーテンや照明、エアコンなどの設備費用:見積もりに含まれていないケースが多い
  • 外構工事費:駐車場やフェンス、庭の整備などで数十万~数百万円かかる場合がある

住宅ローン以外の固定費も考慮する

住宅ローンの返済額だけでなく、家を建てた後の「固定費」も予算計画に入れておくことが大切です。

  • 固定資産税・都市計画税:地域や建物の評価額によって異なるが、年間数万円~数十万円かかる
  • 火災保険・地震保険:保険の内容によるが、10年間で20万~50万円ほどの費用が必要
  • メンテナンス費用:外壁や屋根の塗装、設備の修繕などに備える

こうした固定費も考慮しながら、無理のない予算設定をすることが大切です。

予算内で理想の家を建てるための工夫

限られた予算の中で理想の家を建てるためには、工夫次第でコストを抑えながら満足度の高い住まいを実現することが可能です。ここでは、コスト削減のポイントや補助金制度の活用、施工会社の選び方について解説します。

コストを抑える設計の工夫

家の建築費用を抑えつつ、快適な住まいを実現するためには、以下のような工夫が有効です。

  • シンプルな間取りにする
    • 凹凸の少ない四角い間取りは建築コストが低く抑えられる
    • 1階と2階の柱や壁の位置をそろえると構造的に安定し、コストを削減できる
  • 延床面積を最適化する
    • 広すぎると建築費用だけでなく、固定資産税や光熱費も増える
    • 家族のライフスタイルに合わせて必要な広さを考える
  • 水回りをまとめる
    • キッチン、洗面所、トイレを近くに配置すると配管工事費を節約できる
    • 2階建ての場合、1階と2階のトイレの位置をそろえるとコストダウンにつながる
  • 設備や仕様のグレードを見直す
    • 標準仕様とオプションの違いを確認し、不要なグレードアップを避ける
    • 外壁や床材など、コストを抑えられる代替素材を選択する

補助金や税制優遇の活用

家づくりには、国や自治体が用意している補助金や税制優遇制度を活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。

  • 住宅ローン減税
    • 住宅ローンの借入額に応じて所得税や住民税が控除される制度
    • 一定の省エネ性能を満たす住宅は控除額が増加する
  • こどもエコすまい支援事業
    • 高い省エネ性能を備えた住宅の新築に対して最大100万円の補助金が支給される
  • 地域の補助金制度
    • 一部の自治体では、移住支援金や子育て世帯向けの助成金制度を提供していることがある

これらの制度を活用することで、実質的な建築費用を抑えることが可能です。申請時期や条件が変わることがあるため、最新の情報を確認しておくことが重要です。

施工会社や工務店の選び方

施工会社の選び方によっても、予算内で希望の家を建てられるかどうかが変わってきます。

  • 複数の業者で見積もりを比較する
    • 同じ条件でも工務店ごとに価格差があるため、相見積もりを取るのが重要
    • 見積もり内容が明細化されているかをチェックし、不明瞭な費用がないか確認する
  • ハウスメーカーと工務店の違いを理解する
    • ハウスメーカーは規格住宅が多く、コスト管理がしやすいが、自由度が低い場合がある
    • 地元の工務店は比較的コストを抑えやすく、オーダーメイドの設計がしやすい
  • アフターサポートの充実度も考慮する
    • 安さだけでなく、保証内容や定期点検の有無を確認する
    • 長期的なメンテナンス費用も考慮し、信頼できる会社を選ぶ

まとめ

家づくりの予算を決めることは、理想の住まいを実現するための第一歩です。無理のない資金計画を立てることで、後悔のない家づくりができます。この記事で解説したポイントを振り返りましょう。

  • 家の購入費用は本体価格だけではない
    • 土地代や諸費用、税金などのコストを含めて総予算を考える
  • 適正な予算の決め方
    • 住宅ローンの借入可能額だけでなく、無理なく返済できる金額を基準にする
    • 目安として「年収の5〜7倍」を基準にする
  • 住宅ローンの組み方を慎重に考える
    • 月々の返済額を基に、適正な借入額を逆算する
    • 金利や返済期間が総返済額に与える影響を理解する
  • 予算オーバーを防ぐ工夫をする
    • 追加費用やオプション費用を事前に把握し、見積もりを細かく確認する
    • 住宅ローン以外の固定費(税金、保険、メンテナンス費など)も考慮する
  • コストを抑えつつ理想の家を建てる方法を知る
    • シンプルな間取りや設備の選び方でコストダウンを図る
    • 補助金や税制優遇を活用し、実質負担を減らす
    • 施工会社を比較し、予算に合った信頼できる業者を選ぶ

家づくりは一生に一度の大きな決断です。しっかりと資金計画を立て、理想と現実のバランスを考えながら、納得のいく住まいを手に入れましょう。

一括資料請求ランキング

注文住宅の資料請求は、ネットの一括資料請求を活用するのが現在の主流です。
でも、どの一括資料請求サイトを利用すればいいのか分からないという方もおられると思います。

そこで、おすすめの一括資料請求サイトをランキング形式でご紹介します。

家づくりする人は必見!

📝 注意事項:最新の情報を必ず確認しましょう!

助成金や補助金の最新情報について

住宅に関する助成金や補助金の制度は、年度ごとに内容が見直されることが多く、予算の消化状況によっては早期に受付が終了することもあります。活用を検討する際は、国や自治体の公式サイトで最新情報を必ず確認しましょう。

主な公式情報サイト

制度・情報運営機関公式サイトリンク
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)国税庁https://www.nta.go.jp/
こどもエコすまい支援事業国土交通省https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp/
すまい給付金(※制度変更の可能性あり)国土交通省https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/
長期優良住宅・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金国土交通省 / 経済産業省https://www.mlit.go.jp/ / https://www.enecho.meti.go.jp/
地域別の住宅補助金・助成金各自治体各自治体の公式サイトで確認

各自治体によって独自の助成制度が設けられていることもあるため、住んでいる地域の自治体ホームページもチェックすることをおすすめします。

住宅メーカーの最新情報について

本記事では、2025年時点の最新情報 をもとに、各ハウスメーカーの価格帯・性能・保証内容を掲載しています。しかし、住宅業界の仕様や保証制度は随時更新される可能性があります。

家づくりを検討される際は、必ず各ハウスメーカーの公式サイトやカタログ、担当者の説明を確認し、最新の情報をチェックしてください。

🔗 主要ハウスメーカーの公式サイト一覧

📝 注意事項:費用はあくまで目安です!

住まいにかかる費用等の金額は、住宅の仕様、地域、金融機関の条件、個々の選択によって大きく異なります。 当記事に記載の金額は一般的な目安であり、実際の金額とは異なる場合があることをご了承ください。

【お願いと注意】
※当記事内で記載の住宅メーカーは、参考例として記載しています。
※すべてのメーカーを網羅していません。

📝 体験談・口コミの内容について

インタビューによる体験談及びネット上の口コミ等は、あくまで個人の感想や意見です。

目次