注文住宅で家を建てる費用を決める際には、年収を基準にして考えるのが基本だと言われています。
今回はどのくらいあれば建設費用を捻出できるのか、予算計画の立て方と年収の関係についてお伝えします。
注文住宅で家を建てる費用の目安は年収の何倍?
一般的には年収の5倍程度であれば、注文住宅で家を建てる際の予算計画にも余裕が持てると言われています。
ただし家族構成やライフステージによって生活に必要なお金は変わってくるため、あくまでも目安と考えることが大事です。
子供が小さければ将来的に教育費が上がっていくことが考えられるので、ローンの返済にも余裕がなくなるかもしれません。
年齢によって年収が上がる見通しがあったとしても、それだけに頼った資金計画はできないということです。
ほとんどの人がローンを組んで注文住宅で家を建てるため、無理のない返済額を設定するという点も重要です。
この際に目安となるのは、現在の家賃と同程度の返済額にしておくことでしょう。
逆に言えば家賃の支払い額が家計を圧迫していると感じているのであれば、その金額を返済し続けるのは難しいということです。
ローンの返済は何十年も続くものですから、返済計画はきちんと立てておく必要があります。
年収の5倍で家を建てるとして、それを単純に月額で割れば返済額がわかるわけではありません。
ただ金融機関などでは簡単にローン返済のシミュレーションができるので、概算を知っておくのも良いでしょう。
自己資金はできるだけ多めに準備
自己資金ゼロでも家を建てられるという広告やCMを見たことがある人もいるかもしれませんが、実際には難しいでしょう。
というのもローンを組む時や引越し、新居の生活用品の購入などにも費用がかかるため、自己資金が必要になるからです。
家を建てた人の実例を見てみると、ほとんどの場合で購入資金の3割ほどの自己資金を準備しています。
10年ほど前まではこの割合が4割を超えていたとも言われているので、自己資金率が下がっているのは事実です。
しかし頭金ゼロ、自己資金ゼロで注文住宅で家を建てる人の割合は、極めて少ないと考えて良さそうです。
借入金が少なければ返済もラクになりますが、自己資金の割合を増やそうと考えているとタイミングを逃すこともあるでしょう。
こうした点から考えると3割の自己資金を目標に貯金をし、建設に向けた計画を立て始めるのが良いかもしれません。
以前は年収400万円台でもローン審査で弾かれたと言われますが、金融機関の審査が柔軟になり300万円台でも可能と言われます。
資金計画さえきちんとしていれば、年収が低くても注文住宅で家を建てることができるということです。
貯金の全てを頭金にするのはNG
頭金を多く用意すれば月々の返済を減らすことはできますが、貯金を全て頭金として使うのはお勧めできません。
注文住宅で家を建てるために必要なお金には建設資金だけではなく、各種税金も含めた諸費用も含まれます。
頭金とローンは建設にかかる費用をカバーするもので、それ以外の支払いに充てるお金は別に準備しなければなりません。
土地を購入した場合の税金、火災保険料などは数十万円というまとまった金額になることもあります。
貯金を全て使ってしまうとこうした費用の支払いができなくなるというわけです。
また、病気やけがなどによる不意の出費に備える資金がないと、生活にも支障が出てしまいます。
自己資金を増やすのは悪いことではありませんが、蓄えをゼロにしてしまうと後悔することも多いでしょう。
建設費用は総額の7割~8割とされていますが、残りの2,3割は家本体の建設以外にかかるお金です。
こうした内訳を理解し予算を組むことが大事で、貯金をある程度残せるような資金計画を立てる必要があります。
家を建てた後の返済計画と生活予備費も考慮
年収を元に予算を考える時には、いくら借りられるかではなく無理のない返済額はいくらか考えることが重要です。
ボーナス払いの額を大きくすれば月々の返済額は減りますが、ボーナスは一定ではありません。
景気に左右されやすい部分だけに、ボーナスに頼り過ぎるのは危険だと考えておいた方が良いでしょう。
ローンの支払いに追われて生活費が圧迫されると精神的な余裕もなくなってしまいます。
支払いが滞れば、せっかく手に入れた家を手放すことにもなりかねないので絶対に無理は禁物です。
家を建てた後も貯蓄に回せるお金が残せる程度の返済計画を立てておくと、いざという時にも安心です。
無理せず支払える額に抑えるためには、建設費用が安くなるような設計にするのも一つの方法でしょう。
家への希望を全て叶えようとすると建設費が予算オーバーになりがちなので、予算内で建ててくれる業者探しも大切です。
注文住宅で家を建てるために捻出できる費用は、年収の5倍程度というのが一般的な考え方です。
もちろん家族構成や年齢によってもこの額は変わってくるため目安として考えたうえで、自分に合った資金計画を立てましょう。