注文住宅で家を建てるのにお金がかかることはわかっていても、実際の内訳まで詳しく知っている人は意外と少ないものです。
費用を詳細に把握することは予算決めにも重要な役割を果たすので、家作りの前にきちんと知っておきましょう。
そこでここでは、家を建てる費用の内訳について確認してみることにしましょう。
予算オーバーしないためには内訳の確認が必須

多くの人が注文住宅で家を建てる時に考えるのは、できるだけ安く良い家を作りたいということです。
しかし予算内で理想通りの家を建てるのは簡単なことではなく、予算オーバーしてしまったという人も少なくありません。
家自体に満足できたとしても資金面での負担が大きくなると、その後の生活に支障が出ることは間違いないでしょう。
内訳の確認を怠ったために、実際には削減できたコストを支払わなければならなくなることもあります。
何にいくらかかるのかを大まかに把握しておくだけでも、費用を抑えて理想の家に近づけることは可能だと言われています。
ほとんどの場合、注文住宅で家を建てるのが初めてということになるため、何をどう確認すれば良いのかわからないのも事実でしょう。
業者に確認したくても見積もりや契約書の内容が複雑すぎて、わからないままにしている人も多いそうです。
自分たちのお金が何に使われるのかを知ることは、家について知ることにもなります。
予算オーバーしないためにも、必要な工事が行われているか把握するためにも内訳の確認は必須だと心得ておきましょう。
費用の約7割を占める建物本体工事費
費用の7割~8割を占めるのが建物本体の工事費ですが、これは建物にかかる費用だけだと考えてください。
工務店などのチラシなどに記載されているのはこの費用のみということが多く、意外と安いと感じる人も少なくありません。
業者によって含まれる工事の内容には多少の違いがありますが、一般的には基礎工事や外壁、屋根、左官工事費が含まれます。
費用を左右するポイントは使われる材料と家の広さ、職人への人件費だと考えて良いでしょう。
また建築の工法には様々な種類があるため、それらの条件によっても建物本体工事費には大きな違いが出ます。
多くの工事を外注するハウスメーカーより工務店の方が安いと言われますが、必ずしもそうなるわけではありません。
材料や工法にこだわれば、工務店の建てる家の方が高くなることも珍しくはありません。
家の耐久性にもかかわってくる部分だけに、この費用を安く抑えて納得できる工事をしてくれる業者選びが大事です。
最も費用がかかる部分だけに各業者の価格や使用する建材などを比較し、じっくりと検討することが重要です。
生活するために必要な別途工事費
給排水工事や電気の引き込み工事、ガス配管工事などは別途工事費や付帯工事費と呼ばれます。
他にも家の外観を整えるための塀や門の設置、車庫や玄関アプローチなどの造成もこれに含まれます。
地盤に問題があれば改良工事も必要ですし、道路と高さを合わせる造成工事が必要になる場合もあるかもしれません。
別途工事費については見た目を左右する部分だけでなく、注文住宅で家を建てるために不可欠な工事の両方が含まれます。
そのため、土地を購入する際に付帯工事ができるだけ少なくすむ土地を選ぶことも大事です。
上下水道管が敷地内にあるかどうかでも、必要な工事の内容や費用にも違いが出ます。
予算が厳しい場合に削りやすいのは外構工事ですが、周囲の景観とのバランスや防犯などをきちんと考える必要もあります。
家の印象を決める部分だけにこだわりたい人も多いでしょうが、思ったより費用がかかることは覚えておきましょう。
意外と高額な申請等の手数料
注文住宅で家を建てる費用の中に占める割合は少ないものの、金額としては数百万円になることもあるのが申請などにかかる諸費用です。
数千万円のうちの1割程度とはいえ、忘れていたことで予算オーバーとなることも多いと言われています。
建設には直接関係のない費用ですが、ほとんどが現金払いとなるため予算の確保を忘れてはいけません。
火災保険料や契約書の印紙税、登記費用に加えて、新居への引っ越し費用などもこの中に含まれます。
ローン加入のために義務付けられている火災保険の契約料は、最低限の保証内容でも数十万円になることがあります。
融資条件を事前に確認し、金融機関融資手数料やローン保証料と合わせて予算を組んでおいてください。
また住む家が変わることで電化製品などを新たに購入する必要もあるでしょうし、カーテンや照明器具も必要になります。
電化製品を一式揃えた場合には、100万円近くの出費になることも珍しくありません。
使える物は新しい家でも使う、購入の際はまとめ買いで値引きしてもらうなど工夫することで少しは出費が抑えられるでしょう。
注文住宅で家を建てる際にかかる費用を内訳ごとに見ていくと、意外な出費が多いことに気づく人も少なくないはずです。
計画を立ててから予算不足で慌てないためにも、費用を抑えられるところとそうでないところを理解しておくことが大事です。